西条柿は、広島県発祥の渋柿です。
形は縦長で、4本の溝がある独特な形をしています。
渋が抜けた西条柿は甘くとろける食感です。
全国の食味コンテストで大賞を受賞するも、流通難しいため知る人ぞ知る希少な柿です。
西条柿の発祥は広島県の東広島市と言われています。
干し柿は16世紀頃の戦国時代には、保存食として珍重されていたそうです。
島根県には毛利氏と尼子氏の覇権争いの際に毛利方から伝わったと言われています。
戦場跡には今でも樹齢500年を超える西条柿の木が存在し、その深い歴史を感じることができます。
西条柿は、他の柿と違って縦長の形状となります。
4つの溝があるのが特徴で、干し柿を作る際にも機械ではなく、ひとつひとつ手作業で皮むきをする必要があります。
柿は大きいほうが甘いとされていて、西条柿も大きいほうがおすすめです。
柿の平均糖度は16度ですが、一般的な西条柿は約18度となります。
1年間かけて管理した柿壺の西条柿の糖度は平均で20度を超えます。
島根県出雲産の西条柿は、2012年に行われた『野菜ソムリエサミット』(テーマ:柿)において大賞を獲得し、日本一美味しい柿と言われています。
一方で、生で食べるにも渋抜きする手間がかかり、日持ちも短いので、全国的な取り扱いは少なく、知る人ぞ知る希少な柿です。
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西条柿はそのほとんどが中国地方で生産されており、栽培面積は島根県が日本一です。
西条柿は島根県の特産品となっています。
中でも、柿壺の柿園がある島根県出雲市平田地域は、日本一の西条柿産地と言われています。
南向きの斜面や、柿の栽培に適した土壌に加え、柿づくりのノウハウが地域に受け継がれてきています。
西条柿は渋柿なので、果実が熟れても強烈な渋みが残ります。
そのため、渋抜きをしたり、干し柿にして食べるのが一般的です。
渋抜きの仕方は様々で、柿壺ではドライアイスを使うのをオススメしています。
その他にも、炭酸ガス、アルコール、お風呂のお湯(笑)などさまざまな脱渋方法があります。
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渋抜きした西条柿は、剥き方にもコツがあります。
西条柿はその品質の高い味わいから、干し柿の最高級原料として知られています。
4つの溝があるので、人の手で皮むきをしなければならず、手間ひまかかった高級品です。
島根県では庭先でつくられた柿をもらう機会も多いので、干し柿を作るのが好きな人も多数います。
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柿は自然と実るもの、というイメージですが、しっかりと管理することで美味しい柿になっていきます。
剪定、摘蕾、摘果、草刈り、肥料をまいたりと、やることは盛りだくさんです。
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柿の学名は「ディオスピュロス・カキ(Diospyros kaki)」で、万国共通に日本語の「柿」が使われています。
ギリシャ語で「神様の食べ物」を意味し、世界的にも美味しく健康的な食べ物として讃えられていることが分かります。
柿壺では、日本中から八百万の神々が集う出雲の地で、神様の食べ物と言われる柿を栽培することに、不思議な縁を感じています。
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