冬がおわり、暖かくなりはじめる4月。
柿農家が頭を悩ます問題があります。
それが霜(しも)です。
空気中の冷たい水蒸気が、地面や植物の表面で氷の結晶になったものを霜といいます。
朝、キラキラと輝く光景はとてもキレイですが、柿農家にとっては大敵です。
柿の木に霜がおりると、新芽が枯れてしまいます。
新芽は、生長すると花や枝になります。
花は柿の実になり、枝には葉やまた来年の芽がつきます。
霜がおりると、この新芽が枯れてしまうのです。
ひどいときは、今年の収穫はおろか翌年の収穫もダメになってしまうことがあります。
1.夜間空が晴れ、星がきらめいているとき
2.風がよわく、空気が乾いているとき
3.日中の気温が低く、夕方風がやんだとき
気温が低く、風のない晴れた日が要注意です。
主な霜対策の方法として、「防霜(ぼうそう)ファン」や「防霜スプリンクラー」があります。
防霜ファンは、大型の扇風機のようなもので風を送る方法です。
空気中の暖かい空気と冷たい空気を混ぜる効果があります。
防霜スプリンクラーは、水をまいて葉や枝を凍らせる方法です。
水が氷にかわるときに熱を出す効果を利用したものです。
そのほか、柿壺では別の霜対策を行っています。
灯油をつかった「燃焼法」という原始的な方法をとっています。
畑で点々と火を燃やし、樹の周りの空気を温めます。
夜間は火を絶やさないように一晩中見回りをする必要があります。
とても大変な作業です。
燃焼法を行う際には、消防署への報告が必要です。
柿壺でも欠かさず届け出を出しています。
きれいな星空の元、幻想的に広がる火を眺めていると不思議と癒されますが、やはり朝にはぐったりしてしまいます(^_^;)
朝疲れて帰ると看板娘のカッキーナが「おつかれにゃ」と出迎えてくれるので、疲れも吹き飛ぶのですが…
早く霜のシーズンが終わらないかと願っている今日この頃です。